7月21日に絵を描かせていただいた新刊『坂の上のパン屋さん』(尾崎美紀作・たかおかゆみこ絵 文研出版)がでます。
お話をいただいたのが昨年暮れ、神戸にある実在のパン屋さんがモデルということで、ぜひとも取材とロケハンに行きたかったのですが、ときはコロナまっただ中。
県をまたいだ移動は自粛せざるを得ず、泣く泣くあきらめたのでした。
かわりに関西在住の作者尾崎美紀先生と編集者さんが実際に取材に行ってくださり、たくさんの写真や参考資料を提供してくださったことは本当にありがたかったです。
尾崎先生はご自身も長年パンを焼き続けてきたプロで、直々にラフを見てアドバイスをいただきました。
そんなまわりの方々の全面協力のおかげで、たのしく描き終えることができました。
坂のある神戸の町に引っ越してきた小学5年生の翔太が主人公。
パン好きな翔太が坂の上で見つけた古いパン屋さんのパン職人の老人、トウジロウさんとの出会いを通して成長していく翔太の夏休みの物語です。
とにかく苦心したのは、モデルとなったパン屋さんならではの外はパリッと、中はふんわりのすべて手作業で作られた三つ山手ごねパンの描写でした。
尾崎先生のアドバイスもいただきながら、その特有のパンの形状と美味しさをなんとか伝えられるよう、何度も描き直しました。
うまく伝わるといいのですが…。
まだ終息の兆しがなかなか見えないコロナ禍ですが、しばらくは行くことのできない神戸の町に思いを馳せ、翔太と一緒に坂道を登ってパン職人トウジロウさんのお店に行ってみませんか?
読み終わったら、食パンを食べたくなることうけあいです。